三軒茶屋駅近くにあるモツ料理とワインの店「MOZ」(世田谷区三軒茶屋1、TEL 03-3411-5464)が、7月16日に1周年を迎えた。店舗面積は14坪、席数は24席。
店のコンセプトは「ワインが飲みたくなるモツ料理」。店長の大小原将紀さんは「ホルモンの語源は関西の『放るもん(捨てるもの)』。日本では内臓を使った料理は軽視されがちだが、みんなにヨーロッパのモツ料理の魅力を知ってほしい」と語る。
大小原さんがヨーロッパのモツ料理と出会ったのは、20代前半に約3カ月旅をしたヨーロッパの安食堂だった。「イタリアやフランスの安食堂で、庶民の食べ物である内臓料理を食べ、感動した。日本では欧州のモツ料理を食べられる店がないと思い、日本に帰って店を開こうと決めた」という。
モツ料理の材料となる内臓は都内では芝浦に集められるというが、そこでは「鮮度の良いものも悪いものも交ざってしまう」と大小原さん。それに対しMOZでは「新鮮で質のいい肉を群馬から独自に仕入れている」と胸を張る。
看板メニューは「トリッパ・アラモード」(780円)。ミノ、ハチノス、センマイ、ギアラ、ガツという5種類の胃をトマトソースで2日間煮込み、店オリジナルの味付けを施した。トリッパ・アラモードにご飯、温泉卵、チーズを加え、熱い鉄板に乗せて提供する「鉄板焼きトリッパライス」(1,080円)も人気だという。
オーダーがあれば、飲んでいるワインに合わせたチーズやハムなどの盛り合わせを1,000円以下で提供するほか、「腎臓の炭火焼き」など珍しい内臓を仕入れた際のみ提供するメニューも。ただし、「モツ料理に慣れてない方にはあまりお勧めしていない」。
また、ソムリエでもある大小原さんが選んだワインも店の特長。「1日10本以上、年間4000種類くらいのワインを試飲し、おいしかったものだけを店に並べている」。ワインは気候や訪れた客の気分に合わせて提供するという。
1周年を迎えるに当たり、「あまり宣伝したくないが」と前置きをしつつ、「僕の自宅にある秘蔵ワインを、ほぼ原価で提供しようと思っている」と大小原さん。1周年の感謝を込めて、「お店で飲んだら1万5,000円くらいするものも、グラスで1,000円くらいでやろうかな」と考えているという。期間は「自宅のワインが尽きるまで」。その日提供されるワインは、店のフェイスブックページで確認できる。
今後の展望について、「親兄弟など『連れて来たい人を連れて来たくなる店』を目指す」と思いを語る。