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三軒茶屋に伊ワインストア&バー コンセプトは「飲めて買える店」、小規模ワイナリーに強み

約50銘柄1000本が置かれたワインセラー

約50銘柄1000本が置かれたワインセラー

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 三軒茶屋にワインストア&バー「Pero(ペロウ)」(世田谷区三軒茶屋1、TEL 03-5432-9784)がオープンして1カ月がたった。

ストアマネージャーの森田雅人さん

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 席数はテーブル席10席、テラス4席。カウンター席はスタンディング形式で、店内は完全禁煙。客単価は2,000~3,000円。

 イタリアン「Bricca」(世田谷区三軒茶屋1)の2号店で、コンセプトは「ワインを飲めて買える店」。店内では、フードを片手にイタリアンワインを楽しめ、気に入ったワインを購入できる。バーには赤白合わせて常時約20銘柄を、ストアには約50銘柄1000本をそろえる。

 同店のストアマネジャー・森田雅人さんは、愛知県知多市出身で現在34歳。名古屋学芸大学(愛知県日進市)を卒業後、上京。4年間の設計事務所勤務を経て飲食業界へ。都内のイタリア料理店でマネジャーを務めた後、2014年7月にイタリアへ。地元ワイナリーで研鑽を積んだ。2015年11月に日本へ戻り、南青山のイタリアン「Felicita(フェリチタ)」でソムリエを務めた後、「Bricca」のスタッフとなり、開店に合わせて「Pero」のストアマネジャーに就任した。

 屋号の「Pero」は、接続詞の「しかし」を意味する。森田さんは、人間誰しもが持つ「意志の弱さ」に親しみを寄せる。「イタリアのワイナリーで修業していた時、イタリア社会と日本社会の違いを強く感じた。イタリア人は日本人と比べて、とにかく楽観的。言い訳もするが前向きで物事を包み隠さず、ストレスを溜めない生き方をしていた。日本人は真面目で『他人にだらしない部分を見せてはいけない』という雰囲気があるが、私は『だらしなくていいじゃん』と思っている。本当は真っすぐ家に帰らなければならないのに、『しかし』、つい一杯やってしまう。そのような人間の意志の弱さに魅力を感じる」。

 仕入れるワインの約9割がイタリア産。大手メーカーではなく、家族経営ワイナリーのものが大半を占める。イタリアでの修業時代に知り合ったワイナリーのものが中心だ。「お客さんから『こんなワイン見たことがない』とよく言われる」と森田さん。

 お薦めは、2014年・ピエモンテ州産の「カルッシン」(赤、グラス500円、ボトル2,500円)と、2007年(白のみ)・フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の「ラディコン」(赤白、グラス800円~、ボトル4,000円、以上グラスは税込み、ボトルは税別)。

 バルベーラ種のブドウを使った「カルッシン」は渋みが少ないため、万人受けする味。「ラディコン」の白ワインは、赤ワインと同じように皮ごと醸造しているため茶色みがかっており、「10年寝かせているので、深い味を堪能できる」。

 コーヒー(400円)にも力を入れている。豆はコーヒー専門店「Mui」(川崎市中原区)の自家焙煎(ばいせん)豆を使用。「Bricca」オーナーの金田真芳さんと同店オーナーの大沢征史(まさふみ)さんは親交があり、金田さんは大沢さんの豆に対する情熱に共感していたため、「Pero」出店に伴い採用した。「当店はブドウ、『Mui』さんはコーヒー豆。扱うものは違えど、通底する価値観が同じだった」と森田さんは話す。

 フードは「Bricca」から仕入れており、ランチプレート(1,200円、ランチのみ)や「村上農場さんのさまざまな豆と豚バラの煮込み」(700円)、牛ほほ肉の赤ワイン煮(750円)、豚のパテのサンドイッチ(650円)などを用意する。

 月商は240~300万円を見込む。今後、店内でワイン会やビールイベントなどを行う予定。11月20日にはイタリアのワイン生産者が来日し、立食イベントを開催する(先着30人)。森田さんは「お店で隣り合った人とコミュニケーションを持ってほしい」と話す。

 営業時間は12~24時(ランチは12時~15時、日曜は12~21時)。月曜定休。

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