コーポラティブハウス「BOTA三宿」(世田谷区三宿2)がこのたび、「2017年度 グッドデザイン賞」を受賞した。
「グッドデザイン賞」は日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組み。同賞の審査委員から「各住戸のプライバシーを確保しつつ、景観形成に貢献することに成功している点」を評価された。
コーポラティブハウスとは、住まい手が事業主となって土地の購入から設計、施工、管理などの業務を直接発注する住宅のこと。
「BOTA三宿」は住宅密集地で小規模敷地という環境条件に則して、植栽計画や躯体形状、中間領域をデザインした。コンセプトは「奥まった狭小地、だからこそのデザイン」。敷地も引き込み道路の突き当りに位置しており、隠れ家のような雰囲気を出したという。
名前の「BOTA」は、建築と植物の融合で入居者と隣接住民双方に心地よい環境をもたらしたいという思いで「ボタニカル(植物的)」から命名した。
間取りや窓の位置、大きさもライフスタイルに合わせて入居者各人がデザイン。テラスハウス形式の集合住宅では外に配置することが多い階段を住戸内に入れることで、空間の立体的な広がりや階段室空間の吹き抜けが生じ、バリエーション豊かな自由設計が実現した。
立体的で規則性のある建物の正面デザインは、外観へのデザイン的な影響を許容する役割も担い、注文戸建のように玄関周りも自由にデザインできる仕組みとなっている。
完工は2017年6月で、延床面積は814.32平方メートル、RC造地下1階地上3階(10戸)。不動産コンサルティング会社のコプラス(渋谷区)が手掛けた。参考価格4,960万円~7,370万円。