ジャズインストバンドの「PE’Z」が三宿の国立音楽院(世田谷区池尻3、TEL 0120-987-349)で、小学生を対象に夏季限定で特別講習を行っている。期間は8月4日~8日と18日~22日の計10日間。
講習には児童20人が参加。今月27日に先行配信する新曲「Viva! A SO Bole(ビバアソボーレ)」を課題曲として取り組んでいる。トランペット、サクソホン、ピアノ、ベース、ドラムのパートに分かれ、各担当メンバーが講師としてつく。授業は、堅苦しさは一切無く、一緒に演奏をしながら楽しく教え、休憩中には子どもと仲良く過ごす姿も見られる。
開催経緯について、「PE’Zは15周年になるが、ずっと前ばかりを向いて走ってきた。今度は少し後ろを振り返り、次世代に楽器を教えるということをしてみたいと考えてところ、タイミングよく国立音楽院さんと出会うことができた」とサクソホンのKadota “JAW”Kousukeさん。両者の出会いは、三茶の太子堂八幡神社で昨年11月に商店街とワールドアパートが協力して行った「まち道楽」への出演がきっかけ。PE’Zは他にも、9月21日に世田谷区内の昭和女子大人見記念講堂でワンマンライブを行うなど、三茶地域の活性に取り組んでいる。
参加者は、親子でPE’Zのファンもいれば、「PE’Zのことは知らなかったが、子どもの希望で参加した」と話す親も。中には佐賀や北海道から参加する人もいた。
参加する児童は口をそろえて「楽しい」と笑顔を見せる。「先生が一人一人に関わってくれてうれしい」(小学6年の女児)という声や、「先生の即興演奏を覚え私もできるようになりたい」「残りの5日間で表現を豊かにすることが目標。1人の音が目立つので練習をもっと頑張りたい」という声も。
見学に来た保護者の一人も「先生が楽しそうに教えてくれているからうれしい。子どもも楽器が欲しくなるほど楽しくて仕方がないみたい。親も楽しませてもらっている」と話す。
前半の5日間を終え、PE’Zメンバーは「教えることで発見できたことやプラスになっていることが多い」と話す。「子どもたちは勉強熱心かつ柔軟で吸収が早い。初心者の子が5日間で楽器が演奏できるようになり、もっと他の曲もやってみたいと言うのは驚いた。接してみないと分からないことばかりで逆に教わることも多い。例えば、子どもが、自分が教えた練習方法を繰り返し練習しても出せなかった音を、他の子が一言、『ブワッて言うように吹くんだよ』とアドバイスしただけで音が出せるようになったり…。大人はとかく説明しがちなので、子どもの柔軟な表現力に何よりも驚く」とも。
後半の5日間について、「せっかく楽器を使って音楽をしているので、ジャンルも楽譜も関係なく、演奏する事を思いっきり楽しんでほしい。教科書通りではなく、今まで味わったことのない自由な音楽を経験して、楽しかったと言ってもらえれば先生として尽きる。一緒に楽しい思い出をつくりたい」と意気込む。