三軒茶屋・キャロットタワーで9月9日、演劇公演「現代能楽集Ⅷ『道玄坂綺譚(どうげんざかきたん)』」の製作発表会が行われた。
「現代能楽集」は、世田谷区パブリックシアター芸術監督の野村萬斎さんが、古典の知恵を現代に還元するため立ち上げたシリーズ舞台。シリーズ第8弾となる今回の公演は11月8日~21日、世田谷区パブリックシアターで上演する。
「道玄坂綺譚」は、能の謡曲を近代劇に翻案した三島由紀夫作『近代能楽集』のうち、「卒塔婆小町(そとばこまち)」と「熊野(ゆや)」の2編をミックスした新作現代劇。ネットカフェを舞台に、現代演劇界をけん引する劇作・演出家のマキノノゾミさんが、能の幽玄な世界と三島由紀夫の耽美(たんび)な世界を作り上げる。
「卒塔婆小町」は、ネットカフェ店員の青年がそこで暮らすホームレスのような年齢不詳の女・コマチの話に耳を傾けるうち、幻想的な世界に引き込まれるストーリー。一路真輝さんと、ネットカフェ店員と女主人の恋人の2役を演じる平岡祐太さんが現代版「卒塔婆小町」に挑む。
「熊野」は「マイ・フェア・レディ」をほうふつとさせる、恋愛・コメディー要素のある物語。倉科カナさんがネットカフェで暮らす家出少女ユヤを演じ、眞島秀和さんがユヤに目を掛けるIT長者を演じる。
企画・監修を務める野村萬斎さんは見どころについて、「三島の世界は今では時代劇となっている。それを現代的に創作した。ありえない展開もある」と話す。
入場料は、一般・S席=7,000円、同・A席=5,000円(3階)。高校生以下・S席=3,500円、同・A席=2,500円。一般チケットは世田谷区パブリックシアターチケットセンターと各プレイガイドで購入できるが、高校生以下チケットは世田谷区パブリックシアターチケットセンター店頭と電話予約のみの取り扱いで、年齢確認できる物の提示が必要。