三軒茶屋に熊本郷土料理店「田楽茶屋 多ぢり」(世田谷区太子堂4、TEL03-6380-2771)がオープンして3カ月がたった。
熊本県の郷土料理を提供する同店は、渋谷区神泉にある「熊本バル うせがたん」や同道玄坂の「熊本居酒屋新市街」などを運営するユームス(渋谷区神泉)と、和食居酒屋「砂漠楼」などのデザインを手掛けるengin(世田谷区太子堂)のコラボ店としてオープンした。
メニューは、全国では青ネギのワケギと呼ばれる「ひともじ」を、酢みそであえた「ひともじのぐるぐる」(500円)、阿蘇のブランド牛・あか牛の「くわ焼き」(1,480円)や「たたき」(980円)、「幻の地鶏」とも称される「天草大王の大手羽焼」(580円)など。
店長の吉冨仁彦さんは「都内ではあまり食べることができない珍しい料理。熊本で農業を営む父親から送ってもらう野菜や、契約生産者から仕入れる肉や魚など、食材は『熊本産』にこだわっている」と話す。
同店の看板メニューの一つ「高森田楽」は同県高森地区の伝統料理。食材の表面にみそを塗って炉端で焼くため、香ばしい風味が楽しめるという。山女魚(ヤマメ)の塩焼きに、鶴の子イモ、こんにゃく、豆腐、季節の野菜おでんがセットになった「田楽コース」は1,200円。鶴の子イモは、阿蘇の火山灰地域で育てられる熊本伝統野菜の一つで、サトイモの原種。田楽用の契約栽培のため、一般には流通せず、サトイモよりも粘り気が少なくあっさりと食べられるのが特長という。
ドリンクは、球磨焼酎を中心に焼酎約10種類以上(500円~)、熊本名産のでこぽんを使った「でこぽんビール」(600円)や「でこぽんハイボール」(550円)、「でこぽんサワー」(500円)などをそろえる。
吉冨さんは「熊本出身の方にとっては故郷の味を思い出してもらえる場に、初めて食べる人には熊本の魅力を知ってもらえる機会となるような店を目指したい」と意気込む。
営業時間は、月曜~土曜日=18時~翌2時、日曜=18時~24時。