世田谷・若林に「大衆ビストロ チル」(世田谷区若林4、TEL 03-6450-7557)がオープンして6カ月がたった。
松陰神社前駅から徒歩3分程度の距離にある同店。席数はカウンター5席とテーブル11席。店名に「大衆」と、英語のスラングで「落ち着く、くつろぐ」を意味する「チル(chill)」を付けた理由について、店長兼シェフの福島伊余さんは「ビストロだが、アットホームな居酒屋感覚で使える店を目指しているから」と話す。
当初は三軒茶屋駅の周辺で路面店の物件を探していたが家賃の折り合いが付かず、知人の不動産業者の協力を得て現在の物件にたどり着いた。「個人店が多く、新旧世代が入り交じった商店街の雰囲気が気に入った」と即決した。
福島さんはフレンチ出身。都内のレストランで4年間修行した後、洋食店やダイニングバーを経て、2016年7月に同店を開いた。飲食店コンサルタントのオーナーとは10年来の知り合いで、5年前から計3店舗で共にビジネスを行ってきた。
提供メニューはランチ=5種類、ディナー=約40種類。ランチは「大衆ビストロの特製カレーつけ麺」(850円)や「チル特製カレーライス」(850円)など、オリジナルのカレーを使ったメニューで勝負している。「かつてバックパッカーとして世界中を巡っていたころ、タイで食べたカレーの味に引かれた。この味に日本のカレーのまろやかなテイストを加えたら面白くなると思った」と福島さん。スパイスの調合や味付けなどにこだわり、完成までに3カ月を費やした。「1口目は甘めに感じるが、食べ進むうちにピリッとする辛みを感じるようになる」という。そのほかに、週替わりランチやお子さまランチなども用意する。
ディナーの看板メニューは、国産豚を使った自家製の「厚切りパテ」「砂肝のコンフィ」「国産豚のリエット」「なめらかレバーペースト」や、「豚肩ロースのコンフィハム」の食べ比べができる「シャルキュトリーの盛り合わせ」(Sサイズ=1,350円、Mサイズ=2,650円)など。シャルキュトリーはフランス語で食肉加工食品全般を指す。無添加で作っているため、「1つの種類を作るのに2~3日かかる」という。
「キャベツとブロッコリーのアンチョビ炒め」(540円)、「アボガドとサーモンのマリネ」(1,000円)、「豚ヒレ肉のロースト ジンジャーソース」(1,580円)、「お肉のせジュージューご飯」(1,180円)、「とろ~りモッツァレラと生ハムのフライ」(840円)など、野菜や魚介、飯物、おつまみメニューもそろえる。
ドリンクメニューはワイン、日本酒、酎ハイ(390円~)、カクテルなど40種類以上をそろえる。ボトルワインは「ガロ カニーヴォ 2013」や「アヴェック アムール シャルドネ」(以上4,500円)などを用意する。
今後は四季を取り入れたメニューを積極的に打ち出していくという。2月から始まる春メニューでは、春野菜やサワラを使った料理を予定する。
6カ月がたち、「初めは知り合いもおらず不安だったが、今では常連さんも増えた。自分の思い描いたアットホームな空間をつくれている」と福島さん。
営業時間は12時~15時、18時~24時。火曜、第2水曜、第4水曜定休。