三軒茶屋キャロットタワー(世田谷区太子堂)3階の生活工房ギャラリー(TEL 03-5432-1543)で11月14日から12月23日まで、企画展示「モッズスーツと洋服の並木」が開催される。
店内に所狭しと積み重ねられた生地から40年の歴史がうかがえる。
同展で紹介される「洋服の並木」はカスタム・オーダーの仕立屋で、「モッズスーツの並木」として知られている。2012年に亡くなった先代の並木祐三さんが30年近く前、顧客の要望に応えるため、試行錯誤の上で作った「並木」のモッズスーツはサンドイッチマン、スクービードゥー、中島卓偉さん、浜野謙太さん、U字工事など、多くのミュージシャンやお笑い芸人に愛用されている。
同展では、40年に及ぶ「洋服の並木」の歴史やものづくりをひもときながら、「並木」のスーツの数々とともに、オーダースーツの魅力を紹介する。その他、イギリスのモッズカルチャーや並木をめぐるさまざまな事柄、オーダーから「並木」のスーツができるまでのリポートや何十年と訪れる顧客からミュージシャンやお笑い芸人まで、「並木」のスーツをまとう姿と、「並木」でつくるスーツへのこだわりなどを紹介。実際にスーツも展示する。
モッズスーツは、60年代のイギリスで音楽とファッションに明け暮れ、独自のスタイルを築いた若者たちが「モッズ」呼ばれ、彼らが好んで着た3つボタンの細身のスーツのこと。個性豊かにスーツをオーダーし、おしゃれを競ったモッズたちのようなスタイルに憧れた日本の若者が思い思いのスーツを仕立てに訪れたのが「並木」だった。
生活工房の杉本さんは「モッズスーツで知られる『洋服の並木』には、ミュージシャンやお笑い芸人なども顧客に名を連ねる。ライブや舞台で着るスーツは個性的なものも多いが、職人かたぎの先代が、それぞれの要望に細かく応えてきたのが『並木』のものづくりの原点とも言える。『並木』」ならではの多彩なスーツの数々や愛用者の声を通じて、オーダースーツの楽しみに出合っていただければ」と話す。「オーダースーツは敷居が高いイメージがある方も多いと思う。自分で生地を選ぶ楽しさ、サイズに合った着心地の良さなど、自分だけのスーツを作る魅力を発見してほしい」とも。
会期中の12月13日には、「ビームス」のクリエーティブディレクター、青野賢一さんによるトークショーも行う。「ポピュラーミュージックの中のスーツ」と題し、60年代のモッズたちがなぜスーツをまとったのか、その時代の音楽やミュージシャンを中心に検証する。参加費500円。定員50人(申し込み先着順)。その他、ワークショップ「スーツの生地でつくる冬のヘアバンド」なども予定。
開催時間は9時~20時。入場無料。