世田谷パブリックシアター(世田谷区太子堂4)で6月1日から、同劇場開場20周年記念公演「ABSOLUTE ZERO 絶対零度 2017」が行われる。主催はせたがや文化財団。
1998年初演時の様子(photo=Ravi Deepres)
出演は、日本のコンテンポラリーダンス界の第一人者・勅使川原三郎さんと、数多くの作品で勅使川原さんを補佐してきた佐東利穂子さん。構成、振り付け、美術、照明は勅使川原さんが手掛ける。同作品は1998年に同劇場の開場を飾った作品の1つとして、上演された。海外各国でも高い評価を得ている。
本作は3部構成で、テーマの「絶対零度」は、「到達不能といわれる、エントロピー『ゼロ』の完全な静止状態」を意味している。勅使川原さんは「(絶対零度を)テーマにした時に何が見えてくるのか、何が起こりうるのかということをダンスにしたい。ダンス的化学変化が生まれれば」と話す。
ドイツの日刊紙「Die Welt (ディ・ヴェルト)」は同作品について、「暗闇の中」の幽玄なソロ。とても繊細で、現実とは思えない。簡潔で崇高な作品だ」、フランスの日刊紙「Le Figaro(フィガロ)」は「モーツァルトのクラリネット・コンチェルトの最高に素晴らしい解釈を振り付けで表現した。このモーツァルトの再解釈はダンスによる美的で素晴らしい瞬間をもたらした」と評している。
劇場担当者は「国内外の圧倒的な支持を集め続ける勅使川原さんが、20年の時を経て本作をどのようによみがえらせるのかに期待してほしい。20年前に見た方はもちろん、勅使川原さんの作品を初めて見るという方にも絶好の作品」と話す。
開演時間は、1日・2日=19時30分、3日・4日=15時。入場料は、一般=5,000円、高校生以下・U24=2,500円、ペア=9,000円。問い合わせは、世田谷パブリックシアターチケットセンター(TEL 03-5432-1515)まで。公演は6月4日まで。