松陰神社通り商店街の古書店「nostos books(ノストスブックス)」(世田谷区世田谷4、TEL 03-5799-7982)が8月、1周年を迎えた。
店舗面積は8坪。店名の「ノストス」はギリシャ語で「帰郷」を意味する単語で、「ノスタルジア」の語源ともなった。「店名が示すように、懐かしいようで今なお『鮮烈』な印象を残す60~80年代の出版物を中心にピックアップしている」と店主委の中野貴志さん。「電子書籍化が活発化している今日だからこそ、プロダクトとしての本の希少価値を重視し、個性的な造本・装丁の本を積極的に紹介している」とも。
オンラインショップのみで運営していた同店を実店舗として開店した理由について、「初めてこの場所を訪れた瞬間に決めた。昔ながらの雰囲気と新しいものとのバランスが魅力的だった」と振り返る。
商品については、「デザイン、アート、写真、文学、エッセーなど、一冊の本から知る時代性や、そこから現在に至るまでの流れが感じられる本。お客さまの感じ方によっていろいろな出会いがあるような本を意識して置いている」と話す。中野さんお薦めの一冊はデニス・ホッパーの写真集「Photographs from 1961-1967」(1万1,858円)。
現在は、カフェバー「#108」(渋谷区代々木4)にも本棚を置くなどして活動の幅を広げている。今後については、「街にある普通の本屋として存在し続けるというのが目標。気軽に利用してくれるとうれしい。ぜひ一度遊びに来ていただければ」と呼び掛ける。
営業時間は13時~21時(土曜・日曜は12時~20時)。水曜定休。