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三軒茶屋のバー「チェロ」が10周年-世界を旅して見つけた銘酒を売りに

波瀾万丈の人生を送ってきたオーナーの稗田浩之さん

波瀾万丈の人生を送ってきたオーナーの稗田浩之さん

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 三軒茶屋のバー「CIELO(チェロ)」(世田谷区太子堂4、TEL 03-3413-7729)が10月12日、10周年を迎える。

2階はバルスタイル。

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 オーナーの稗田(ひえだ)浩之さんは20歳のときに福岡でバーテンダーのアルバイトを始め、大学卒業とともに上京。下北沢にあるバー「FAIRGROUND (フェアグラウンド)」(北沢2)でスコッチ・ウイスキーに魅せられ、約3年間勤めた後、バックパッカーとなり、スコッチ・ウイスキーの本場、スコットランドへ旅に出た。

 帰国後に一文無しになった稗田さんは世田谷公園で約3カ月間、ホームレス生活を体験。「近隣住民の苦情におびえる日々だった。しかし、バーで修業するなら銀座で働かなくてはと思い、上馬のアパートに移り住み、銀座のモルトバー『タリスカー』で働き始めた」という。その後、28歳で独立し三宿に同店を開いたが、区の政策による立ち退きのため、約5年後に三軒茶屋に移転した経緯がある。

 同店の売りは「毎年約1カ月間、1人で海外へ出掛けて日本に未入荷の酒を買い付けてくる酒」だという。「スコットランド、アイルランド、メキシコ、マダガスカル、キューバ、コスタリカ、ニカラグアなど世界の洋酒を扱っているので、現地の飲食事情を知り、現地で感じ取った空気感を店で出せるようにしている」と話す。

 店舗の2階はバル・スタイルで18席。3階はオーセンティック・バー・スタイルでカウンター8席、テラス席7席。

 ドリンクは、オールドボトルを30本ほど用意。現行品である「マッカラン10年」(1,200円)のほか、1980年代に販売されていた「マッカラン10年」(3,500円)、1965年蒸留、1983年に瓶詰めされた市場価格が1 本約30万円の「マッカラン」(1万円)などを飲み比べることもできる。他にも旬のフルーツを使ったフレッシュカクテル「黄桃とラムのピーチダイキリ」(1,300円)や、すり下ろしたショウガとジンジャービアを使った「モスコーミュール」(1,100円)なども提供する。フードではイタリアンやスペイン料理などを提供している。オープン時から提供している「キーマカレー」(900円)も人気という。

 10年を振り返り、「続けさせていただいてきたのは、お客さまのおかげ。長く続けていると、離れていく常連さんもいるが、突然結婚の報告に来てくださったり、長い常連の男性客が20歳になった娘さんを連れて来たこともある。特別な日や特別な人と利用していただくこともあるのがうれしい。今後も飛躍していきたい」と意気込む。

 当日は記念パーティーを開催予定。フリードリンクにオードブル付きで会費は4,000円。営業時間は19時~23時。通常の営業時間は、2階=18時~翌3時(月曜定休)、3階=20時~翌5時(火曜定休)。

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