三軒茶屋の青果店「佐藤青果店」(世田谷区太子堂5、TEL 03-3410-8274)がリニューアルオープンして1カ月がたった。
三軒茶屋で創業し90年となる同店。創業者である父親の後を継いだ2代目店主の佐藤春隆さん(79)は「東京オリンピックの時代は、1日に白菜がトラック1台分、ミカンは100箱売れた。朝の7時から店を開け、店を閉めるのは夜中の12時をまわることもざらだった」と目を細めながら当時を振り返る。
しかし、大型スーパーの出店により、次々とつぶれていく商店街の青果店の現状を目の当たりにし、小売店が生き残っていくのは難しいと感じた佐藤さんは、つけや夜逃げの多かった当時の飲食店への卸売りから、保育園、小学校、大学などへの卸売りにシフトした。現在も保育園を始め、25以上の教育機関へ青果を卸しながら、店舗の小売りも展開している。
今年7月21日には、息子の佐藤五一さんが店を継ぎ、内装や仕入れなどをリニューアルした。市場から仕入れる青果のほか、佐賀県直送の肥料や農薬を使わずに育てた「ニシユタカ」や「メークイン」など自然栽培のジャガイモなどを仕入れるほか、店頭ではゆでたトウモロコシやカットしたスイカ、自家製のぬか漬けや白菜の塩漬けなど、手を加えた総菜も日によって販売する。
店長の宮島幹夫さんは「肥料や農薬を使わず育てたおいしい野菜をぜひお試しいただきたい」と来店を呼び掛ける。
営業時間は、平日=10時~20時、土曜・日曜・祝日=12時~19時。野菜の仕入れ状況などにより変動あり。