三軒茶屋に7月7日、医療福祉系セレクトショップ「HALU」(世田谷区三軒茶屋1、TEL 03-6805-2880)がオープンする。運営はNPO法人「Ubdobe(ウブドべ)」(同)。
「医療福祉エンターテインメント」を通じて、あらゆる人々の積極的な社会参加を推進する同法人。業界の認知度向上やイメージアップを図り、関わる人々の質やモチベーションを上げることを目標に、イベントの実施やプロデュースを行う。2008年に活動を開始し、2010年に法人化した。
きっかけは、代表の岡勇樹さんが自身の母親をがんで亡くし、祖父が認知症を発症したこと。「当たり前の存在を失い、身近にあるのに知らないことが多かった」とショックを受けたことが大きいという。
「医療福祉系セレクトショップ」を掲げるHALU。これまで、数々のイベントを実施してきたがいずれも単発だったため、「継続的に何かできないかと考え、基地となるようなものを作りたい」(岡さん)と、実店舗を考えたという。
店内では、国内外のユニバーサルデザインの玩具や食器、福祉作業所で作られた「厳選したこだわりのプロダクト」を販売するほか、障がいを持つ人や高齢者、子どものいる家族に向けた「コンサルティングコーナー」を設置し、社会福祉士や看護師、介護福祉士が予約制で相談を受ける。
理事を務める舘野友仁(ともみ)さんは「私たちが選ぶ商品を販売すると同時に、何らかの事情で『無理』と諦めていた方が、有益な情報を得て選ぶ可能性が広がるような場を目指す。医療福祉の問題は、悲しいハプニングがないと気付きにくいもの。普段は素通りしている何かに気付いてもらえる場になれたら」と話す。
店内の「インフォメーションコーナー」では医療福祉関連の小説や漫画、映画の紹介を行い、「図書館感覚で通える場」を目指し、ワークショップや専門家を招いたセミナーも予定する。
舘野さんは「医療福祉に興味がある人だけでなく、誰でも気軽に遊びに来てほしい。まずは、三軒茶屋で地域に密着したリアル店舗としてのロールモデルをつくり、それを軸に今後は全国に拠点を増やしたい」と意気込む。
現在、オープンに向けてクラウドファンディングサイト「READYFOR(レディーフォー)」で初期費用を募りながら、準備を進めている。支援募集は6月30日まで。
営業時間は11時~19時。入場無料。