世田谷区が10月25日、カーシェアリングサービス「タイムズカープラス」の公用車利用を試験導入した。
2009年に始まった同サービスは、全国47都道府県で展開する国内最大のカーシェアリングサービス。同サービス担当者によると、これまでにも自治体で公用車両数の適正化や職員の移動効率化などを目的に導入したケースがあり、一部の自治体では同サービスの車両を庁舎駐車場内に設置し職員と地域住民が共用するなど、カーシェアリングの特性を生かした取り組みも行われているという。
世田谷区は、環境負荷低減の推進、今後の本庁舎などの整備における公用車削減、公用車の維持管理費削減などを目的に試験導入を決定。東京23区で同サービスが公用車として採用されるのは初めて。
同担当者は「25日から区役所の職員が当サービスの会員になり、区役所周辺にある駐車場に配備するカーシェアリング車両を公用車として利用している。配備した車両の多くは低燃費車両のため、世田谷区が長期間所有している公用車に比べ、環境負荷低減につながる。カーシェアリングは車両を所有する際に発生する購入費や維持費がかからず、利用料金のみの費用負担で済むことから、公用車の維持管理費削減にもなる」と話す。
世田谷区役所経理課長の渡邉謙吉さんは「現在、用地課の職員17人が登録して利用している。懸念していた車両の予約が取れないということは今のところない」と話し、「車両を予約をした本人しか運転・返却できない部分に課題を感じるが、区役所の近くではなくても利用できるため、目的地の最寄駅などから直行できるメリットもあり、今後も試用を続けていきたい」と期待を込める。試用期間は2年間を予定している。