池尻の廃校活用施設「IID 世田谷ものづくり学校」内の、ものづくり工房「ファブラボ世田谷」(世田谷区池尻2)が5月6日、フェースシールドの無償配布を開始した。
フェースシールドは、神奈川大学の道用大介准教授が公開したデータを基に、工房内の3Dプリンターなどを使い製作。コロナウイルスの影響で対応に追われる医療現場で活用してもらおうと、世田谷区内の医療関連施設に無償で提供する(送料は実費)。
同工房スタッフの鐘居和政さんは「コロナウイルス感染症への対策として各自が営業自粛、外出自粛、その他さまざまな形で感染症の拡大を防止する中、『ものづくり』に関わる私たちができることを考えた。今市場で不足し、感染症へ直接対応している医療関係の皆さまが必要とするフェースシールドを製作・提供することが少しでも貢献できることだと思った」と話す。
同工房は世界各地に展開しており、ネットワークも豊富。製作に当たっては「世界中の有志が素早く3Dプリントで製作できるよう、フェースシールドのデータや消毒方法などを公開したことで難しさは感じなかった。病院でも独自に3Dプリンターを購入したり、個人でフェースシールドを作って医療機関に届けたいと3Dプリンターを購入した方々も複数いるそう。世田谷なら私たちが動かなければという使命感も少しあった」という。
鐘居さんは「ここ1週間で問い合わせが13件、美容や福祉などの業種からも問い合わせいただいた。製作できる数に限りがあるため、現在は世田谷区内の医療関係施設にお届けしている状態。今後も医療関係施設以外からの問い合わせが多いようであれば、材料費と送料分を頂いた上での提供も検討中」と話す。
医療関係施設への無料配布の申し込みは5月末日まで。