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池尻に焼き鳥店「山正」復活 閉店から13年、地元出身者らがレシピ再現

場所を新たに復活した「山正」

場所を新たに復活した「山正」

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 池尻に焼き鳥店「山正」(世田谷区池尻3)がオープンして3カ月がたった。

記憶をもとに当時の味を再現した焼き鳥

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 2008年に店主が他界したため閉店した池尻の同名焼き鳥店のレシピを再現する。池尻大橋駅前のクラフトビール店「ビールマンイケジリ」の店主で、地元で生まれ育った太田宜秀さんが友人らと3月にオープンした。

 「池尻大橋に昔からあった焼き鳥屋さんで、高校時代の部活帰りによく食べていた。塩の焼き鳥が赤い色をしていたのが印象的で、1本100円とリーズナブルだったので、僕ら高校生から大人まで、いつも人であふれるお店だった。不思議と軍歌が流れていて、いい意味でアンニュイな側面もあり素敵だった。跡地は現在たばこ店になっているものの『山正に特売なし』という看板は当時のままで池尻大橋の隠れた歴史」と当時を振り返る。

 閉店に方を落としていた太田さんだったが、昨年9月、他界した店主の子息と話し合いを重ね、「山正」を復活させることが決まった。しかし課題は山積みだったという。

 「当時のレシピは亡くなった大将しか知らず、 なんとか当時の味を復元しようと大将の息子さんと話しながら『シイタケが入っていた』『たしか蜂蜜が入っていた』『ニンジンはもう少し』『レモンの酸味がもう少し』などの情報を少しづつ集めて、タレを完成させていった。塩の焼き鳥が赤い理由もパプリカだということをヒントにパプリカ塩にたどり着いた。何度も何度も試作を積み重ねて、レシピの復元ができた」と太田さんは話す。

 焼き鳥を焼くのは、ニューヨークのミシュラン焼き鳥店で9年間修業を積んできたシェフの岡田篤史さん。「安くてうまい焼鳥を多くの人に届けたい」という太田さんと意気投合し、参画した。

 メニューは「焼き鳥5本盛り」(600円)、「コケポテサラダ」(580円)、「白モツ煮」(390円)、「季節のお野菜ジュレ」(350円)など。

 オープンから現在を振り返り太田さんは「せっかく足をお運びいただいたのに、お待たせしたり、ご案内できなかったりすることが続いており迷惑をかけている。開店直後が空いていて狙い目なのでお越しいただければ」と呼び掛ける。

 営業時間は16時~24時。日曜定休。

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