三軒茶屋の老舗ベーカリー「足立ベーカリー」(世田谷区三軒茶屋1)が5月19日、閉店した。
1948(昭和23)年に創業した同店。焼きそばパン、コロッケパン、ちくわパン、ハンバーガーなどの惣菜パンを中心に販売し、100円台からのリーズナブルな価格と素朴な味で、住民らに長く愛されてきた。
最終営業日には、多くのファンが駆けつけ、長蛇の列ができた。当日は客らが「お疲れ様でした」と店主に労いの声をかける場面も。
同店店主は今年4月に「創業以来長年にわたり皆様のご厚情をいただき今日まで営業を続けて参りましたが、歳と共に体力が落ち、大変申し訳ございませんが、来る5月19日をもちまして閉店致すこととなりました。皆さまの長年にわたるご愛顧に心から感謝申し上げます」(原文ママ)という貼り紙で、閉店を知らせた。
閉店の知らせを受けネット上では「小さい頃から40年近く慣れ親しんだ味が…」「パン屋は沢山あるけどここは別格」「人生で一番美味しいパンでした。もう食べられないのが残念」「土日の楽しみが一つ減る」「近所に住んでたおばあちゃんが死んじゃった…ときみたいな感覚」「発狂しそう」(原文ママ)など、閉店を惜しむ声が飛び交った。
閉店から1週間以上たったが、近隣に住む20代の女性は「今でも無性に食べたくなる。まだ営業されている気がして行ってみたら、空っぽの店内を見て寂しくなった」と話し、30代の男性は「世の中にパン屋はたくさんあれど、お腹は満たされるのに心が満たされない。完全に、足立ロス」と惜しんでいた。