三軒茶屋の飲食業プレマーケティング施設「FORT MARKET(フォートマーケット)」(世田谷区三軒茶屋2)が4月1日、1周年を迎える。運営は「なかむら商会」(世田谷区)。
コンセプトは「開業できるフードホール」。施設にはカフェ&バー、ベーカリー&スイーツ、多業種対応キッチンの3店舗を用意し、それぞれ独立した厨房(ちゅうぼう)スペースに、業態に合わせた業務用厨房機器などをあらかじめそろえる。24席の客席は共有。出店者は、イートインやテークアウト、オンラインデリバリーサービス「Uber Eats(ウーバーイーツ)」などでサービスが提供できる。
これまで月額契約だったが、4月からチケット制を導入する。時間帯を「モーニング&ランチ」(8時~15時)「ディナー&ナイト」(17時~翌2時)、「1日利用」(8時~翌2時)の3つに分け、出店者はそれぞれの所定回数営業できる。
同社社長の中村忠明さんは「出店者は、購入したチケットの回数分で月曜から日曜まで希望の日程を自由に選んで出店ができるようになる。営業を行う必要回数のみのチケットを購入できる仕組みにしたことで、無駄な費用を出さずに開業にチャレンジできる」と話す。
チケット料金は一番安価な「カフェ&バー」の場合、「モーニング&ランチ」(5回まで=3万5,000円、10回まで=6万円)、「ディナー&ナイト」(5回まで=3万8,500円、10回まで=6万6000円)、「1日利用」(1回まで=1万円)。
1年を振り返り、中村さんは「たった1年だが同施設に出店することでノウハウをため、実際に自身の店の開業を実現する方々が出てきてくれたことはうれしかった。特に、知名度ゼロの状態でビラ配りから始め、一生懸命おいしいものを提供し続けた『とりかつ たるたる 金いろ』が、1年をかけて人気店になり独立したことは感動すら覚えた」と話す。「それ以上に、週末限定の出店者が自分の成長のために有名飲食店に修業に出たり、飲食店で働きながら自分の味を試してみたいと週1回出店したりなど、さまざまな理由や働き方による『飲食店にチャレンジしてみたい』という思いがたくさん集まってきたことが発見だった」とも。
「新型コロナウイルスの影響で、特に個人経営の飲食店にとても強い逆風が吹いているが、その先を見つめて、いつかやってみたかった飲食店にチャレンジする人が集う同施設を応援していただければ」と呼び掛ける。