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「自由な発想で楽しくやりたい」 世田谷パン祭り運営事務局長・間中伸也さんインタビュー

パン祭りの会場入り口に立つ間中さん

パン祭りの会場入り口に立つ間中さん

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 三宿エリアで10月9日・10日の2日間行われた日本最大級のパンの祭典「世田谷パン祭り」運営事務局代表の間中伸也さんに今回のイベントを振り返ってもらった。

今後の改善課題となる校庭の行列

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 -2日間を振り返って、まず一言お願いします。

 初日は予想外の雨で驚きました。それにもかかわらず、とても多くの方に来場いただいたことに、もっと驚きましたね。

 -6回目となる今回、来場者数を3万人と予想していました。実際どうでしたか。

 初日が2万5000人、2日目が2万3000人の計4万8000人でした。予想の1.6倍です。これだけ大幅に増えた理由については現在、事務局で分析している最中ですが、認知度は年々高まっています。今年はメディアの露出も多かったですね。地元の方からも開催前から「いつやるの?」という声を多く頂きました。会場を見ていると、2日間ともお越しになった方が今年は多かったですね。

 -パン店はもとより、校庭でのライブイベントや、「IID 世田谷ものづくり学校」を使った「パン大学」も盛り上がりを見せていました。

 ライブは「パン祭りに合う」アーティストを選びました。世田谷区は三宿や下北沢に代表されるように、情報感度の高い方が多いですから、人気があるだけのアーティストが出るだけでは良い反応が得られません。アーティストの選定は例年、イベント計画の最後に決めていたのですが、今回からは専任のスタッフを付けて、早い段階から吟味しました。アップテンポなアーティストがメインだった初日と比べると、2日目はゆったり聴けるアーティストを選びました。会場と観客が一体化していましたよ。

 パン大学は例年通り、近隣の方が主に参加していました。会場に来て、パンをただ買って帰るのではなく、パンの作り方や、パンを使ったコーディネートなど学びがある内容にしました。今年はワークショップの会場を世田谷公園に移し、座学でしっかり学びたい人はIID 世田谷ものづくり学校、気軽に参加したい人には世田谷公園と色分けしました。

 これまでは、校庭・体育館・IID 世田谷ものづくり学校がメイン会場でしたが、今回からは世田谷公園も同じくメイン会場としました。世田谷公園はもともとカップルや家族連れなどが多く訪れる場所ですので、そうした方々とパン祭りの来場者が一体化していましたね。

 -どの会場もすごい行列でした。長時間並んだり、お目当てのパンを買えなかった方も多かったと聞きます。

 行列に関しては本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。昨年から2日間の開催にして、来場者の分散化を図っているのですが、今年は予想以上に来場者が多くて…昨年はパンの販売会場である体育館に、最長でも1時間で入れたのですが、今年の、特に初日は3時間近くお待たせすることもありました。2日目から体育館と連携し、行列の導線を変更し、多少は改善しました。世田谷公園は最長でも40分程度でしたので、今後は公園側への誘導にも力を入れていきます。

 今年は、ライブなどパン以外のコンテンツも充実させました。とは言え、パンを買うことが一番の目的であることには変わりません。とても、もどかしい気持ちです。いかにスムーズにイベントを運営していくか、これからの課題ですね。「パン祭りに行って良かった」という声が、われわれの一番の励みになります。課題はまだ多いですが、一つずつ解消していき、来年以降、来場者の皆さんが、より楽しめるように努力していきます。

 -10万人規模のイベントとして今後、運営を想定していますか。

 われわれはイベントの「質」に、もっとも力を入れていますので、ちょうど今回ぐらいの5万人を標準にすれば、より満足度の高いコンテンツを提供できると考えています。

 -最後に。

 三宿エリアを盛り上げたいと始めたパン祭りも、はや6回目。当初は地元商店会の主催でしたが、今では本当に大きなイベントになりました。パンについて「固定概念」が無いスタッフだから、ここまで自由な発想で運営できたのだと思います。運営に協力してくれた方、来場者の方々にお礼を言いたいですね。本当にありがとうございました。

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